ZOOMS 2018 受賞者 パリツアーレポート

2018年11月、ZOOMS JAPAN 3回目の受賞者となる小宮山桂さんと羅思琦さんがパリを訪れ、CP+およびこのフォトアワードの連携イベントである“Salon de la Photo”(サロン・ドゥ・ラ・フォト)で写真展示やトークショーを実施しました。世界最大のアートフォトフェア“PARIS PHOTO”をはじめ、街じゅうのギャラリーやアートスペースで様々な写真関連のイベントが催される11月のパリ。2人の貴重な体験の一部をレポートします。

Salon de la Photo
写真展示/ギャラリートーク

11/7~11の5日間、“パリのCP+”ことSalon de la Photoではフランス版“Zooms”の受賞者2名の作品と合わせて合同展示が実現。初日の夕方には会場内イベントスペースにてトークショーを実施、多くの一般客とプレスが日仏受賞者と審査員のクロストークに耳を傾けました。受賞者のおふたりはパリのたくさんの写真ファンに作品を見てもらう絶好の機会を得ることができました。

Salon de la Photoが開催されたParis Expo

パリの写真ファンが集う受賞者展示

審査員と受賞者2人で一緒に

アートディレクターによるレビューも

日仏の受賞者・審査員によるトーク

フライヤーと名刺はすぐになくなりました

PARIS PHOTOほか
写真関連イベント

11月のパリは毎年街じゅうで写真イベントが開催されており、受賞者2人はさまざまなイベントを体験。PARIS PHOTO(世界最大のフォトフェア)や、ルーブル美術館のふもとで実施されるフォトフェアfotofever、セーヌ川に係留された船上で行われる写真系出版社が出展するフォトブックイベントPolycopies、美術大学構内で行われるアートブックフェアOFFPRINTなど、パリ市内で行われる様々な写真関連イベントを訪れ、さまざまな人に出会い、写真家としても大きな刺激を受けたようです。ちなみに1回目の受賞者山本雅紀さんの写真集がPARIS PHOTOとNYの写真系出版社Aperture主催のフォトブックアワードにノミネート・展示されていたり、2回目の受賞者片上久也さんの作品がfotofeverで販売されていたり、このパリツアーをきっかけに受賞者のみなさんは大活躍中です。

あいにくの雨、PARIS PHOTO会場にて

世界中からギャラリーや出版社が出展

過去受賞者山本さんの写真集が!

エッジの効いた作品が特徴のfotofever

CP+キービジュアルを担当した髙倉さんも出展中でした

前回受賞者片上さんの作品も販売されてました

ヨーロッパ写真美術館ほか
ギャラリー/ポートフォリオレビュー

ヨーロッパ写真美術館元館長のモンテロッソさんにご招待いただき、キュレーターのナビゲートで開催中の企画展示を観覧。今回はストリートからアフリカまで、世界中で巨大なランドスケープ作品を発表している写真アーティスト、JRの特別展示でした。また、フランス最古の写真専門ギャラリー、ギャルリ・アガット・ガイヤールを訪問。キュレーターのフィオナさんにポートフォリオレビューを受け、感触も上々。ギャルリ・レ・フィーユ・デュ・カルヴェールでは開催中だったローラ・エノの企画展示をご紹介いただいたあとに、やはりキュレーターによるレビューを実施しました。
また今回は1666年設立という歴史あるパリの芸術アカデミーにご招待いただき、19世紀に発明された写真技法、ダゲレオタイプの公開講演が行われたという歴史ある会議室やアカデミーの図書館などを内覧。数々のギャラリーが写真を特集する“Photo Saint Germain”実施中のサン=ジェルマン通りを抜けて、フランス人写真家マルタン・ドルジュヴァルのアトリエを訪問。レビューはもちろん、彼の作品制作の裏側をのぞくことができました。

ヨーロッパ写真美術館

写真界の重鎮、モンテロッソ氏のご案内

アガット・ガイヤールでのレビュー

レ・フィーユ・デュ・カルヴェールにて

芸術アカデミー。貴重な体験でした

ドルジュヴァル氏のアトリエにて

受賞者のコメント

小宮山桂さん

元来、外国に対して消極的であった自分にとって、今回のような形で様々な体験をさせて頂いたことは何より新鮮で大変勉強になりました。
日本人として普通に日本で暮らしているとつい忘れがちな、あるいは頭ではわかったつもりになっていた、そもそも前提となる文化が違うこと。何が通じて何が通じないのか。直接自分の感覚として知ることで、今後の活動の仕方について考える良い契機になったと思います。
お世話になった皆様に改めて感謝するとともに、今回の経験を今後の活動に活かしていきたいと思います。

羅思琦さん

このパリツアーは、私の人生の転換点と言っても過言ではないほどのツアーでした。パリで受賞作品展を開催することができたことだけではなく、視野を広げることができ、私の世界観と価値観にも大きく影響しました。
思いがけずフランスの写真家Martinさん、Mind’s Eyeギャラリーのボンディさんとも親しくなれて、ポートフォリオレビュー以外でも私に激励の言葉をたくさんかけてくださいました。
CP+の皆様には言葉では言い表せないほど感謝しています。恩返しとして私にできることは、これからどんどんいい写真を撮って、世界的なアーティストに成長することです。

短い期間ではありましたが、受賞者2人にとって、
新しい発見や貴重な出会いにつながったパリツアーになったのではないでしょうか。
CP+は小宮山さん、羅さんの今後の活動を引き続き応援していきます!