最終選考に残った全7作品の中から、
皆さまのご投票とカメラ雑誌編集長の最終審査によって、
以下の作品が受賞となりました。
エディター賞
作品名 「生きとし 生けるもの」
作者名 夢無子(ムムコ)
プロフィール
映像制作会社に勤務、様々なアーティストたちと親交を深めていく中で、自分で何かを表現したい衝動にかられ、アーティストとして活動することを決意。40を超える国々で旅を続けながら、世界の関わりと自らの表現を模索している。
受賞コメント
選んでいただき、大変光栄で嬉しく思います。このコロナ禍で人々の意識が変わる世界の中、Salon de la Photoで世界のアーティストが集う場所なので、彼らは何を考え何を思い作品を生み出しているのかを肌で感じてきたいと思います。
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5年前の私は、平和でなんだか能天気な東京で、自分の労力と時間を消費し、辟易しながら毎日を過ごしていた。満ち足りているようにみえて、何かが足りない気がしていた。
何かがわからないまま、思い立って世界放浪の旅に出た。まずはアルゼンチンに向かい、そこから少しずつ北に向かった。行く先々で仕事をもらい、対価の代わりに食事と寝場所を確保した。今まで体験したことない社会、文化に入り込んでみたかった。生きている感覚を失っていた自分が、ちょっとずつ何かに満たされてきた。出会うもの全てが、圧倒的な生命力を放っていた。
今年、世界中が暴れだした。
オーストラリアの森林火災から始まり、コロナのパンデミック、さらには、香港、アメリカ、タイなどでは次々とデモが起こった。このコロナ禍において、いままでのエリート社会に対する憧れや欲求は減っていき、社会の歯車の一部としての「個」は、もはや意味をもたなくなってきた。これからは、自分が「核(コア)」を持って生きていかないと流されてしまいそうだ。自分を客観的に見つめ、自分を知ること。案外、目を背けたくなる行為だが、ちゃんと向き合っていかないと、自分が自分でなくなってしまいそうだ。
これからも、この世界を生きていく。
自分の核は、そう簡単にはみつからないかもしれない。
それでも、探し続け、生き続ける。
風の前の塵のように、吹かれながら、彷徨いながら。
パブリック賞
作品名 違和感
作者名 マネークリッパー吉沢(マネークリッパーヨシザワ)
プロフィール
鹿児島出身・東京都在住のウェディングフォトグラファーとして活動。
普段は趣味で撮った写真をSNSへ投稿しております。
幼少期からの趣味である、絵を描く延長で写真を撮っており
自分の日常の目線を、ミニマル系の写真へと落とし込んだ作品が多いです。
受賞コメント
今回パブリック賞という素晴らしい賞をいただけて、大変驚いたと同時に非常に嬉しく思います。
今までフォトコンテストに出したことがなく、自分の写真の価値が曖昧なものでしかなかった私に投票という形で自信をくださった方々へ、最大の感謝を述べたいです。本当にありがとうございました。
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日常に溢れる違和感に惹かれます。
小さい頃 同級生やテレビで聞いた怪談話にワクワクしたように、自分の今ある日常の中にひっそりと隠れる違和感に惹かれます。
この自分の見ているワクワクを、他人にも共有できるのが写真だと思っています。この写真を、私の目線を見て、皆さんにも童心に返ったような気持ちになってもらえたら嬉しいです。